「ちゃぶ台返し」から「ピーステーブル」へ
親業も見よう見まね、自分たちが受けてきた育児、しつけを無批判に受け継ぐことがある。
かつて「かみなりおやじ」は父親の威厳とされた。真っ赤な顔をして、ちゃぶ台がひっくり返されることもあったと言う。子どもはびびって言うことを聞く。
この即効性が実は危ない。子ども相手に感情をぶつけることに慣れると、つい多用しエスカレートする。子どもは外からそう見えなくても、ショックを受けて心を傷つけている。その傷は封印されるが、何かの折に蘇る。愛着の親に痛めつけられる自分の不安感。そしてこの大人の振るまい方を学んでいる。誰かを支配し傷つけたくなる衝動を育む。
自分たちが常識としてきたものでも、子どもの心を傷つけるものは過ちと認識すること、学習棄却(Unlearning)が必要である。
自分の感情をコントロールすることを学ぼう。アンガー・マネジメント、怒りの芽生えた瞬間、6秒怒りを抑えると平静になれると言う。アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』では、おおかみにならないために「おみやげ三つ、たこ三つ」と唱える呪文が出てくる。
こども園にある「ピーステーブル」では、お互い言いたいことを言い合う、聞き合う。それが平和に暮らす基礎だと教えている。