大人中心の「昭和の保育」から、子ども主体の「21世紀型の保育」へ、本園の保育も大きく変わりつつあり、戸惑われている方もいらっしゃるかもしれない。
宮崎学園には建学の精神「礼節・勤労」があり、
今まで両みどり幼稚園は、「きまりよく・なかよく・ありがとう」を目標にしていた。
今、両みどり幼稚園は
「愛されることを通して、自分を大切にし、周りの人を大切にできるようになる」
「遊びに没頭したり、新しいことを考えたり、今やることに一生懸命取り組めるようになる」を目標にする。
正解注入主義から、経験成長主義への転換である。
早い話、子ども同士がけんかしていたときに「けんかしては駄目でしょ。先生言ったでしょ。けんかしたときはどうするの?『ごめんなさい』って言うんでしょ」といった指導が「昭和の保育」である。
「21世紀型の保育」では、けんかしている者同士の気持ちをよく聞く(言わせる)。
「どうして○○さんのおもちゃ取ったの?」「遊びたかったの?」「××さんはどう思ったの?」1人ひとりの気持ちを肯定し、大切にし、その経験を通して自分を大切にし、周りの人を大切にできることを目指す。
大豆生田先生が短大の講演で紹介したドキュメント映画「こども会議」が話題になっている。こども園で、子ども達がここまで話せるようになるのかと感動するくらい色々な話題を自由に話し合う。けんかしたときは「ピース・テーブル」に着いて、互いに言いたいことを言い合い、解決するとは限らないが、お互いを理解し合ってテーブルを離れる。
SNSで誰でも言いたいことを発信でき、人を死に追い込むこともある時代である。大人が無理矢理「ごめんなさい」言わせても、人間関係力は育たない。
互いに思いを述べ合い、互いを尊重することを学ぶ、その名も「ピース・テーブル」。
平和は力で相手を押さえ込むことではなく、お互いとことん話し合うこと、互いに尊重することを学ぶことにあるのである。