教えないことが教育

更新日:2023-10-20 / カテゴリ:園長にっき

「先生言ったでしょ」「お母さん言ったよね」「何度言ったら分かるの?」

少し前までは、どこでも飛び交っていた言葉でした。でも本当に子どものためになる保育・教育を目指すところでは死語になりつつあります。なぜでしょう?

子どもは教えれば分かり、言う通りにするものだ。言う通りにしないのは、子どもがちゃんと聞いていないからだという「とんでもない誤解」があります。そんな大人は子どもが言う通りにしないと怒り、叱り、罰という子どもの心を傷つける有害な処方(マルトリートメント)をしがちです。

聞いただけのことは大抵忘れます。叱られれば、恐いので言うとおりにしますが、それは学んでいるのではありません。恐怖に支配されているだけです。

学ぶのは、考えて気づくことから起こります。「こうしたらうまくいかない」「こうしたらうまくいく」いずれも失敗や成功の経験を教訓化することです。

教える教育の推進は、子どもを受身にしてしまい、自分でやってみて、考えて気づく主体性を育てません。考えて気づかせるには、

「どうしたらいいと思う?」「やってごらんよ。」「どう思った?」

教えたら早いと思うところを大人がどこまで我慢できるか、それが子どもを主体として育てられるかのバロメーターなのです。

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