こどもの表現と玩具
前回、3歳未満児の子どものコミュニケーションについてご紹介しました。今回は、3歳以上
児異年齢クラスの、玩具による表現についてお伝えしたいと思います。下の写真は、積み木と木
の人形を使ってある日の一場面を表現したものです。すごいのは、これを見た異年齢クラスの子
どもたちが「何だろう」と興味を持って、いろいろと意見を交わしていたことです。「これは何
をしているところだろう」、「人がたくさんいるね」、「きっと映画館だよ!」、「いや、立っ
ている人もいるから違うんじゃない?」「何だろう」、あれやこれやと意見が出ましたが、作っ
たご本人に聞いたところ12月16日に行われた「修了写真撮影」の様子だと分かりました。みん
なは「そうか!」と納得の様子だったようです。撮影をしながら子どもたちの会話を聞いていた
先生は感激して、職員室でこの状況を教えてくださいました。作者は年少さんで、どちらかと言
えば静かにいろいろなことに取り組んでいるお子さんです。言葉で多くは語りませんが、この子
の中にはこんなにも豊かに物事を感じ、自分の出来る方法で表現したいと思い、実際に玩具を使って
表現をしたのだと思います。作品に興味を持ったのは年長児でした。
この子どもの気づきが周りの子どもを巻き込んで、この豊かな表現にスポットライトを当てました。
園では、写真や映像でいろいろとお伝えしていますが、その裏には子どもたちの思いのこもった、
楽しい出来事が起こっているようです。
園長 中武 亮子